もう流行中…今からのインフルワクチンは?

もう流行中…今からのインフルワクチンは?
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窓口で増えている「今さら打っても…?」という質問

こんにちは。医療法人社団aQuaです。10月に入り、インフルエンザワクチンの接種が本番を迎えています。同時に、診察室や受付で次のような質問をいただくことがぐんと増えました。

  • 「もうまわりで流行っているのに、今から打つ意味はありますか?」
  • 「先月A型にかかったばかりなのですが、それでも打つのでしょうか」
  • 「下の子は2回と言われました。年内に終わりますか?」

どれも、もっともな疑問だと思います。今回は3院(小岩・市川・東池袋)の集計データで今の流行状況を見たうえで、「今から」の接種をどう考えるか、スケジュールの組み立て方とあわせて整理してみます。

3院のデータで見る今の流行状況(第33〜40週の推移)

当法人では、3院それぞれで1週間に診断した感染症の人数を集計し、各院のホームページで毎週公開しています(行政の報告とは別に、当院が独自に数えているものです)。インフルエンザA型の3院合計は、次のように推移しました。

週(2026年)小岩市川院東池袋院3院合計
第33週(8/10〜8/16)410923
第34週(8/17〜8/23)39315
第35週(8/24〜8/30)2033255
第36週(8/31〜9/6)288712127
第37週(9/7〜9/13)678412163
第38週(9/14〜9/20)908840218
第39週(9/21〜9/27)10614357306
第40週(9/28〜10/4)9711619232

8月中旬には3院合計で23人、翌週は15人だったものが、9月に入って100人を超え、第39週には306人とこの期間でいちばん多くなりました。先週(第40週)は232人で、合計としては前の週より減っていますが、8月と比べればまだかなり多い水準です。

院ごとに見ると、小岩は106人→97人、市川院は143人→116人、東池袋院は57人→19人と、いずれも第39週より少なくなっています。ただ、1週だけの増減で「山を越えた」と判断するのは難しく、連休や受診のタイミングの影響も受けます。今の時点では「高い状態が続いている」と受け止めて、しばらく推移を見ていく段階だと考えています。

なお、発熱やせき・鼻水などで受診されるお子さんの多くは、インフルエンザ以外の呼吸器感染症です。呼吸器感染症の3院合計は第39週が1,518人、第40週が1,112人でした。10月はマイコプラズマなど長引くせきの原因になる感染症も話題になりやすい時期ですし、空気の乾燥も始まります。「インフルエンザだけに注意すればよい時期」ではない、という点もあわせてお伝えしておきます。

流行が始まってからの接種でも打つ意味があると考える理由

「流行のピークに間に合わないなら無駄では」と思われるかもしれませんが、当院では、今からの接種にも十分意味があると考えています。理由は主に3つです。

1. シーズンは年内で終わらない

例年、インフルエンザの流行は年明けから春先まで続くことが少なくありません。今季は立ち上がりが早い印象ですが、「早く始まった年は早く終わる」と決まっているわけではなく、むしろ流行の波が長く続いたり、いったん落ち着いてから再び増えたりすることもあります。今から接種しても、冬から春にかけての期間をカバーできる可能性は十分あります。

2. A型とB型は別に考える必要がある

今季3院で目立っているのはA型です。B型は市川院で第37週に2人、第40週に1人と、ごくわずかにとどまっています。年明け以降にB型が増える年もあり、現在使われているワクチンはA型・B型の両方に対応する成分を含みます。「A型が流行しているから今季はもう関係ない」とは言い切れません。

3. かかったときの重さを和らげることが期待される

ワクチンは「絶対にかからなくなるもの」ではありませんが、発症や重い経過を減らすことが期待されるワクチンとされています。乳幼児や、ぜんそくなど持病のあるお子さんでは、この点が特に大切になります。

一方で、効果が出るまでには接種から2週間ほどかかるとされています。接種直後は守られていない期間があること、接種しても感染することはあることは、知っておいていただけると安心です。

すでにA型にかかった子は打つ? B型・年内の二度目を見据えて

「9月にA型と診断されたのですが、ワクチンはどうしますか」というご相談は、9月下旬からとても増えました。結論から言うと、当院では接種をおすすめすることが多いです。

かかったことで、その型に対する免疫はある程度つくと考えられます。ただし、その効きめがどのくらい続くか、別の型やB型にどこまで通用するかは一人ひとり異なり、確かめる方法もありません。先にも書いたとおり、ワクチンはA型・B型の両方に備えるものですから、「A型にかかったあとにB型が流行したら」という場面を見据えると、接種しておく意味はあると考えています。

接種の時期については、解熱してから体調が十分に戻っていることが前提です。当院では、発熱後しばらく様子を見て、せきや鼻水が残っていても元気で食欲があれば接種できることが多いです。登園・登校の基準とワクチンを打てるタイミングは必ずしも同じではないので、迷うときは予約前にご相談ください。持病のあるお子さんや、治療中のお薬がある場合も、遠慮なくお知らせいただければと思います。

13歳未満の2回接種の間隔と、年内に終えるための逆算スケジュール

生後6か月以上13歳未満のお子さんは、一般に2回接種とされています。間隔は2〜4週間あけるのが一般的で、免疫のつき方を考えると4週間程度あけるほうが望ましいとされています。

今日は10月5日です。2回目を打ち終え、さらに効果が期待できる状態で年末年始の帰省やお出かけを迎えたいなら、たとえばこんな逆算になります。

  • 10月中旬に1回目 → 4週あけて11月中旬に2回目 → 11月末〜12月初めには一区切り
  • 11月上旬に1回目 → 12月上旬に2回目 → 年末にかけて備える形
  • どうしても日程が詰まる場合は、2〜3週間の間隔で2回目を組むこともあります

体調をくずして予定がずれるお子さんも毎年たくさんいます。11月・12月は予約が混み合いやすいので、1回目を受けるときに2回目の予約もあわせて取っておくと、ずれたときの立て直しがしやすくなります。13歳以上は1回接種が基本ですが、ご希望や状況によって相談に応じています。

熱が出たときの受診の目安

最後に、発熱したときの受診のタイミングについても触れておきます。インフルエンザが疑わしいときは、お子さんに元気があれば、発熱から24時間以上たってからの受診をおすすめしています。発熱してすぐは検査が陰性になりやすく、翌日に再検査になることがあるためです。

ただし、次のような場合は時間にかかわらず早めに受診してください。

  • ぐったりしている、顔色が悪い
  • 呼吸が苦しそう
  • 水分がとれない
  • けいれんがあった
  • 生後3か月未満の発熱

3院とも年中無休で診療しています。夜間や休日に判断に迷うときは、こども医療でんわ相談#8000もご利用ください。

毎週の流行状況もご覧ください

各院のホームページでは、今回ご紹介したような1週間ごとの診断人数を毎週更新しています。園や学校の様子とあわせて、お住まいの地域(江戸川区・市川市・豊島区)の今を知る手がかりにしていただければ幸いです。

「今から打つべきか」「うちの子はいつ打てるか」は、年齢や体調、ごきょうだいの予定によっても変わります。迷っているうちに時期が過ぎてしまうのがいちばんもったいないので、お電話や診察のついでで構いませんので、気軽にご相談ください。

髙木 虎太郎

髙木 虎太郎

記事監修

医療法人社団aQua理事長 髙木 虎太郎

国立大学法人 滋賀医科大学 医学部医学科 卒業

慶應義塾大学医学部小児科

慶應義塾大学関連病院

埼玉県立小児医療センター血液腫瘍科

日本小児科学会小児科専門医、日本血液学会血液専門医

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