新型コロナも静かに増加中 見分けはつく?

新型コロナも静かに増加中 見分けはつく?

こんにちは。医療法人社団aQuaです。「園でコロナが出たと聞いたのですが、うちの子の熱もそうでしょうか」。この1週間、診察室でこうしたご質問が続いています。今シーズンは9月からのインフルエンザの流行が目立っていますが、その陰で新型コロナウイルス感染症(以下、新型コロナ)と診断されるお子さんも少しずつ増えてきました。今回は、3院の集計データをお示ししながら、症状での見分け・検査を受けるタイミング・ご家庭での過ごし方を整理してみます。

目次

3院合計の新型コロナ:第35〜37週で9→12→25人

小岩・市川・東池袋の3院で、1週間に新型コロナと診断したお子さんの人数をまとめると、第35週(8/24〜8/30)が9人、第36週(8/31〜9/6)が12人、第37週(9/7〜9/13)が25人でした。2週間で倍以上になっています。

小岩市川院東池袋院3院合計
第35週(8/24〜8/30)6309
第36週(8/31〜9/6)74112
第37週(9/7〜9/13)1112225

人数は多くないけれど、増え方は気になります

とはいえ、同じ第37週のインフルエンザA型は3院合計で163人(小岩67人、市川院84人、東池袋院12人)。発熱の相談としては、いまはインフルエンザが中心です。新型コロナの25人は、人数だけを見ればまだ多くありません。

気になるのは増え方です。夏休み中の第33週(8/10〜8/16)は3院合計10人、第34週(8/17〜8/23)は2人と一桁で推移していました。そこから9月に入って9人→12人→25人と、じわじわ上向いています。新学期が始まって子どもどうしの接触が増えたことが関係しているのかもしれませんが、これは推測です。なお、この数字は当法人3院を受診されたお子さんを独自に集計したもので、江戸川区(小岩)・市川市・豊島区の流行状況そのものを表すものではありません。地域の傾向を大まかに眺める材料として見ていただけると安心です。

発熱・のどの痛み、症状だけでは区別できない

診察室でよく聞かれるのが「熱の出方で見分けられませんか?」というご質問です。正直にお答えすると、症状だけで新型コロナとインフルエンザ、その他の風邪(当院の集計では「呼吸器感染症」としてまとめています)を区別することはできません。第37週の呼吸器感染症は3院合計で1,015人にのぼり、発熱やのどの痛みで受診されるお子さんの多くは、検査をしない限りどのウイルスかは分からない、というのが実際です。

どちらでも重なりやすい症状として、次のようなものがあります。

  • 発熱(高熱のこともあれば、37度台で終わることもあります)
  • のどの痛み、声のかすれ
  • 咳、鼻水、鼻づまり
  • 頭痛、体のふしぶしの痛み、だるさ
  • 小さなお子さんでは、機嫌が悪い・食欲が落ちる・吐く・お腹がゆるくなる

「インフルエンザは急に高熱」「新型コロナはのどが痛い」というイメージをお持ちの方も多いのですが、実際にはどちらのパターンもあり、例外もたくさんあります。診察では、園や学校・ご家族での流行状況、症状の出はじめた時間、のどや耳・胸の所見などを合わせて考え、必要と判断したときに検査をご案内しています。

検査はいつ受ける?受診前に見ておきたい目安

検査は、発熱のごく初期だと体の中のウイルスの量が少なく、実際には感染していても陰性と出てしまうことがあります。そのため当法人では、インフルエンザが疑わしいときは、お子さんに元気があれば発熱から24時間以上たってからの受診をおすすめしています。夜中に熱が出た場合は、翌日の日中〜夕方が目安になります。新型コロナの検査も同じ考え方で、熱が出てすぐよりは、少し時間をおいたほうが結果を解釈しやすくなります。

時間を待たずに受診していただきたいとき

一方で、次のような様子があるときは、発熱からの時間にかかわらず早めに受診してください。

  • ぐったりしていて、呼びかけへの反応が弱い
  • 顔色が悪い、唇の色が悪い
  • 呼吸が苦しそう(肩で息をする、息をするたびに胸やお腹がへこむ、話すのがつらい)
  • 水分がとれない、半日以上おしっこが出ていない
  • けいれんがあった
  • 生後3か月未満の赤ちゃんの発熱

3院はいずれも年中無休です。「24時間待つべきか、今行くべきか」で迷われたときは、遠慮なくご相談ください。夜間や休日にどうしたらよいか迷うときは、小児科医や看護師に相談できるこども医療でんわ相談 #8000もご利用いただけます。

登園・登校の考え方と、家庭内でうつさない工夫

新型コロナと診断された場合、学校保健安全法では「発症した後5日を経過し、かつ症状が軽快した後1日を経過するまで」が出席停止の期間とされています。ここでいう「発症」は症状が出た日で、その翌日から数えます。保育園・幼稚園では園ごとの取り決めや、登園時に書類が必要なところもありますので、通っている園・学校のルールもあわせてご確認ください。必要な書類は当院でもご相談に応じます。

期間を満たしても咳が残っていることはよくあります。その場合は、体力が戻っているか、食事や睡眠がとれているかを目安に、運動や行事への参加は少しずつ戻していくと安心です。運動会の練習が本格化する時期なので、復帰のペースで迷うときは診察でお声がけください。

家庭内でうつさないために、できること

  • 看病する人をできるだけ1人に決め、こまめに手を洗う
  • 1〜2時間ごとに数分の換気(対角線上の窓を開けると空気が流れやすくなります)
  • タオル・食器・コップは分け、洗える物は普段どおりの洗濯・食器洗いで大丈夫です
  • 食事の時間や場所を少しずらす、寝る向きを離す
  • 大人はマスクを活用。小さなお子さん本人のマスクは無理をさせなくて構いません
  • 鼻をかんだティッシュはすぐ袋に入れて捨てる
  • 兄弟姉妹は数日、熱や機嫌を気にかけておく

完璧を目指すと看病する方が疲れてしまいます。「手洗いと換気」この2つが続けられれば十分だと考えています。水分がとれていて眠れていれば、慌てずに様子をみていただいて大丈夫なことも多いです。

なお、今シーズンのインフルエンザワクチンのご予約も始まっています。新型コロナとインフルエンザは別のウイルスですが、発熱で家族全員が動けなくなる事態を減らすという意味でも、予定を立てやすい時期に検討していただければと思います。

各院のホームページでは、毎週の感染症の集計を更新しています。園や学校で「何かが流行っている」と聞いたときの参考にどうぞ。

髙木 虎太郎

髙木 虎太郎

記事監修

医療法人社団aQua理事長 髙木 虎太郎

国立大学法人 滋賀医科大学 医学部医学科 卒業

慶應義塾大学医学部小児科

慶應義塾大学関連病院

埼玉県立小児医療センター血液腫瘍科

日本小児科学会小児科専門医、日本血液学会血液専門医

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