「今年は早めに打ったほうがいいですか?」
こんにちは。医療法人社団aQuaです。2学期が始まり、診察室では「インフルエンザのワクチン、いつから予約できますか」「もう流行っていると聞いたのですが、今から打って間に合いますか」というご質問が続いています。運動会の練習が始まり、ごきょうだいの予定も重なるこの時期、接種のタイミングは確かに悩ましいところです。
今季は例年より早く、3院ともインフルエンザAの診断が増えています。先日の記事では流行の立ち上がりについてお伝えしましたが、今回は「では、いつ打つか」を、2回接種の間隔から逆算して一緒に考えてみます。
まず、いまの数字を見てみます
当法人3院で、1週間に診断したインフルエンザAの人数(週報の集計)です。
| 週 | 小岩 | 市川院 | 東池袋院 | 3院合計 |
|---|---|---|---|---|
| 第33週(8/10〜8/16) | 4 | 10 | 9 | 23 |
| 第34週(8/17〜8/23) | 3 | 9 | 3 | 15 |
| 第35週(8/24〜8/30) | 20 | 33 | 2 | 55 |
| 第36週(8/31〜9/6) | 28 | 87 | 12 | 127 |
3院合計では第33週23人、第34週15人、第35週55人、第36週127人。とくに市川院は10人→9人→33人→87人と、この2週間で目立って増えました。なお同じ第36週の呼吸器感染症(いわゆるかぜ症状全般)は3院合計で826人と多く、発熱のお子さんのすべてがインフルエンザというわけではありません。
この数字は当院を受診された方の集計で、地域全体の流行そのものを表すものではありません。ただ少なくとも、私たちが診ている範囲では、9月上旬の時点で流行が始まっていると考えておいたほうがよさそうです。
3院の予約開始日・受付方法
受付はWeb予約
今季のインフルエンザワクチンは、小岩・市川・東池袋の3院とも、ワクチンの入荷状況に合わせて順次受付を開始します。開始日、対象年齢、1日あたりの枠などの確定した内容は、各院ホームページのお知らせとWeb予約の画面でご案内しますので、9月のうちにときどきのぞいていただけると確実です。
混み合いやすいタイミング(例年の傾向)
あくまで例年の傾向からの見込みですが、次の時間帯は予約が埋まりやすい印象です。
- 平日の夕方(園・学校の後の時間帯)
- 土曜・日曜・祝日
- 受付開始直後と、10月中旬〜11月上旬
今季は流行の立ち上がりが早いぶん、この山がさらに前倒しになる可能性もあります。平日の午前や昼過ぎなど、ご都合のつく時間があれば比較的取りやすいかもしれません。
接種の目安:13歳未満は2回、効果が出るまで約2週間
- 生後6か月から接種できます
- 13歳未満は、2〜4週間の間隔をあけて2回
- 13歳以上は通常1回(体調や既往によって医師と相談のうえ2回とすることもあります)
- 接種後、効果が期待できるようになるまでおおむね2週間かかるとされています
2回接種の間隔は2〜4週間ですが、一般には3〜4週間あけたほうが免疫がつきやすいとされています。ご予定と相談しながら、無理のない範囲で間隔を取れるとよいと思います。
「1回目をいつまでに」逆算してみると
13歳未満のお子さんで、2回目を4週間後に受ける場合の目安です。日付はあくまで一例で、体調や予約状況で前後します。
| 1回目 | 2回目(約4週後) | 効果の目安(2回目の約2週後) |
|---|---|---|
| 9月下旬 | 10月下旬 | 11月上旬ごろ |
| 10月中旬 | 11月中旬 | 11月下旬ごろ |
| 11月上旬 | 12月上旬 | 12月中旬ごろ |
こうして並べると、1回目が11月に入ると、2回分の効果がそろうのは12月中旬ごろになります。例年であれば十分間に合う時期ですが、今季のように9月初めから診断数が増えている状況では、「早めに1回目」を検討する価値はあると考えています。
一方で、「もう流行が始まっているから今さら打っても遅い」ということでもありません。インフルエンザは1シーズンのうちに複数の型が流行することもあり、シーズンは年明け以降まで続くのが一般的です。接種を迷っているうちに時期を逃すより、打てるときに1回目を済ませておく、という考え方をおすすめしています。もし接種前や1回目と2回目の間にインフルエンザにかかった場合は、体調が戻ってから改めてご相談ください。
接種当日の体調、受けられないことがあるケース
- 接種前の体温が37.5℃以上のとき
- 明らかに具合が悪い、急性の病気の最中のとき
- ワクチンの成分で強いアレルギー症状(アナフィラキシー)を起こしたことがあるとき
鼻水や軽いせきがあっても、熱がなく食欲・機嫌がふだんどおりであれば接種できることが多いです。判断に迷う場合は無理に自己判断せず、受付や診察でご相談ください。母子健康手帳と、記入済みの予診票をお持ちいただくとスムーズです。
副反応と、受診を考える目安
接種した部位の赤み・腫れ・痛み、発熱、だるさなどがみられることがありますが、多くは2〜3日でおさまっていきます。接種後30分ほどは、すぐに連絡が取れる場所で様子をみてください。次のようなときは、時間にかかわらず早めにご連絡・受診をお願いします。
- 呼吸が苦しそう、ゼーゼーする、声がかすれる
- 全身にじんましんが出る、顔色が悪い、ぐったりしている
- 腕の腫れが日ごとに強くなる、高い熱が3日以上続く
きょうだい・保護者の同時接種と、定期接種との組み合わせ
ごきょうだいは同じ日・続けた時間帯でご予約いただけます。保護者の方の接種も承れるます。
定期接種との関係では、インフルエンザワクチンは不活化ワクチンのため、他のワクチンと同じ日に接種すること(同時接種)ができます。別々の日にする場合、現在の決まりでは、注射の生ワクチン同士(MR・水痘・おたふくかぜなど)を続けて打つときに27日以上あける必要がありますが、不活化ワクチンであるインフルエンザワクチンと他のワクチンとの間隔には原則として制限がありません。5種混合や日本脳炎などのスケジュールが残っているお子さんは、予約の際に母子健康手帳を見ながら組み立てますので、遠慮なくご相談ください。
もし熱が出たときの受診の目安
インフルエンザが疑わしいときは、元気があれば発熱から24時間以上たってからの受診をおすすめしています。発熱してすぐは検査が陰性に出やすく、判断がむずかしいためです。ただし、ぐったりしている、顔色が悪い、呼吸が苦しそう、水分がとれない、けいれんがあった、生後3か月未満の発熱、といった場合は、時間にかかわらず早めに受診してください。
3院はいずれも年中無休で診療しています。夜間や休日に判断に迷うときは、こども医療でんわ相談 #8000 もご利用ください。
おわりに
各院のホームページには、毎週更新している「感染症発生状況報告」のページがあります(小岩院・市川院・東池袋院)。お住まいの地域に近い院の数字をのぞいてみると、園や学校で聞く話とあわせて、今どんな感染症が動いているのかがつかみやすいと思います。ワクチンの予約開始のお知らせも各院のホームページでご案内しますので、あわせてご覧いただけたら幸いです。
髙木 虎太郎
記事監修
医療法人社団aQua理事長 髙木 虎太郎
国立大学法人 滋賀医科大学 医学部医学科 卒業
慶應義塾大学医学部小児科
慶應義塾大学関連病院
埼玉県立小児医療センター血液腫瘍科
日本小児科学会小児科専門医、日本血液学会血液専門医

