運動会シーズン 休む・戻るの判断に迷ったら

運動会シーズン 休む・戻るの判断に迷ったら
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「明日、運動会なんです」という相談が増えています

こんにちは。医療法人社団aQuaです。9月に入り、診察室では「明日が運動会の予行なのですが、行かせてよいでしょうか」「熱は下がったのですが、いつから学校に行けますか」といったご相談が続いています。行事が重なる時期は、休ませる判断も、戻すタイミングの判断も、保護者の方にとって悩ましいものだと思います。

今回は、出席停止の日数の数え方、病気ごとの登園・登校の考え方の違い、書類の扱い、そして行事の朝に迷ったときの見方について、3院の集計データも交えながら整理してみます。

3院の集計では、インフルエンザAが増えています

当法人が3院(小岩・市川・東池袋)で独自に集計している週ごとの診断数では、インフルエンザAが8月下旬から目立ってきました。3院合計では、第32週(8/3〜8/9)9人、第33週(8/10〜8/16)23人、第34週(8/17〜8/23)15人、第35週(8/24〜8/30)55人、第36週(8/31〜9/6)127人となっています。

第34週 第35週 第36週
小岩 3 20 28
市川院 9 33 87
東池袋院 3 2 12
3院合計 15 55 127

とくに市川院では第36週に87人と増えました。あくまで当院を受診された方の集計で、地域全体の流行の大きさをそのまま表すものではありませんが、新学期が始まった時期と重なっており、園や学校での接触が増えたことが影響している可能性があります。なお、のどや鼻、咳の症状(呼吸器感染症)は第36週に3院合計で826人と、こちらがいちばん多い状況は変わっていません。

インフルエンザの出席停止:日数の数え方

学校や園を休む期間は、学校保健安全法という法律で目安が決まっています。インフルエンザの場合は「発症した後5日を経過し、かつ解熱した後2日(幼稚園・保育園などの幼児は3日)を経過するまで」とされています。この「発症」は一般に発熱した日を指します。

数え方のポイントは、発熱した日・解熱した日は「0日目」とすることです。

  • 月曜日の夜に発熱 → 火曜日が発症後1日目。5日を経過するのは土曜日で、登校できるのは日曜日以降。
  • 水曜日に解熱 → 木曜日が解熱後1日目、金曜日が2日目。小学生以上ならこの2つの条件を両方満たした日から登校可能。
  • 幼児は解熱後3日なので、同じ例だと土曜日までが解熱後の期間になります。

「5日」と「解熱後2日(3日)」は、どちらか早いほうではなく、両方を満たす必要がある点にご注意ください。解熱剤で一時的に下がった場合は、薬の効果が切れても平熱が続いた日を解熱日と考えます。園や学校ごとに独自の様式や連絡方法がある場合もあるので、休むと決まった時点で一度確認しておくと安心です。

胃腸炎・溶連菌・手足口病など、病気ごとの違い

すべての感染症に一律の日数が決まっているわけではありません。おおまかには次のような考え方です。

  • 感染性胃腸炎(第36週は3院合計で33人)…日数の決まりはなく、嘔吐・下痢が落ち着き、食事がとれて普段どおりに過ごせることが目安です。便にウイルスが出続けることがあるため、回復後もしばらく手洗いを丁寧に。
  • 溶連菌感染症…抗菌薬を飲み始めて24時間ほど経ち、熱が下がって全身状態がよければ登園・登校できるとされることが多いです。処方された薬は症状が消えても最後まで飲み切ってください。
  • 手足口病・ヘルパンギーナ…発疹が残っていても、熱が下がって食事や水分がとれていれば登園・登校できるという考え方が一般的です。夏に比べると3院とも減っていますが、まだ少数ずつ続いています。
  • 水痘(みずぼうそう)・おたふくかぜ…こちらは出席停止の期間が決められています。水痘はすべての発疹がかさぶたになるまで、おたふくかぜは腫れが出てから5日を経過し、かつ全身状態がよくなるまでが目安です。

いずれも最終的な判断は園・学校の方針にもよりますので、迷うときは診察時にお声かけください。

治癒証明・登園許可証は必要?

近年は「必ずしも書類は求めない」とする自治体や学校が増えており、保護者が記入する登校(園)届で足りる場合もあります。一方で、園によっては医師の記入欄がある様式を使っているところもあり、対応はさまざまです。

3院では、園や学校から配られた用紙をお持ちいただければ、診察のうえで記入しています。流れとしては、受付で用紙をお預かりし、診察時に経過を確認して記入、そのままお渡しするのが基本です。体調が回復してからの受診で構いませんが、登園・登校の前日夕方や当日朝は混み合いやすいため、少し余裕をもってお越しいただけると待ち時間が短くて済みます。用紙の様式や文書の取り扱いについてご不明な点は、各院の受付にお問い合わせください。

行事の朝、熱や咳があるとき

練習の疲れと感染症、どう見分ける?

運動会前は練習で疲れがたまり、「なんとなく元気がない」「夜に咳が出る」ということが起こりやすい時期です。疲れによる不調は、ひと晩しっかり眠ると朝には持ち直し、食欲もそれなりにあることが多い印象です。一方で、38度以上の発熱がある、寒気やふるえがある、関節や体の痛みを訴える、朝になっても顔色がさえない、食事や水分が進まないといったときは、感染症が始まっている可能性を考えたほうがよいでしょう。ここは見た目だけで確実に区別できるものではないため、迷う場合は無理をせず休ませ、経過をみてあげてください。

受診のタイミング

インフルエンザが疑わしいときは、元気があれば発熱から最低でも12時間以上、できれば24時間以上たってからの受診をおすすめしています。発熱直後は検査が陰性になりやすく、結果がはっきりしないことがあるためです。

ただし、次のようなときは時間にかかわらず早めに受診してください。

  • ぐったりしている、呼びかけへの反応が鈍い
  • 顔色が悪い
  • 呼吸が苦しそう(肩で息をする、息づかいが speed 早く浅い)
  • 水分がとれない、おしっこが出ない
  • けいれんがあった
  • 生後3か月未満の発熱

家族に発症者が出たときの過ごし方

きょうだいや保護者の方がインフルエンザと診断された場合、同居のお子さんに症状がなければ、登園・登校を止める決まりはありません。ただし潜伏期間を考えると、数日のあいだは体調の変化に気づけるよう、朝の体温と食欲・機嫌を確認しておくと安心です。家の中ではこまめな手洗い、タオルを分ける、寝る部屋をできれば分ける、換気をする、といった基本的な工夫が役立ちます。

行事が近いときは、「前日に念のため検査を」とご希望になることもありますが、症状のない段階の検査は結果の解釈が難しく、おすすめしにくいのが正直なところです。症状が出てから、上記の目安に沿って受診していただくほうが確かな判断につながります。

また、この時期は秋の花粉による鼻や目の症状も重なりやすく、「咳と鼻水だけれど感染症なのか分からない」というご相談も増えます。症状が2週間ほど続く、毎年同じ時期に繰り返す、といったときは、その点も含めて診察でご相談ください。

迷ったときの相談先

3院(小岩・市川・東池袋)はいずれも年中無休で診療しています。夜間や休日に判断に迷うときは、こども医療でんわ相談 #8000 もご利用いただけます。

各院のホームページでは「感染症発生状況報告」のページを毎週更新し、その週にどの感染症が何人だったかを公開しています。市川市、江戸川区(小岩)、豊島区(東池袋)それぞれの近くの様子を知る手がかりとして、行事前の体調管理にお役立ていただければ幸いです。

運動会は、お子さんにとっても保護者の方にとっても大切な一日です。だからこそ、休む判断も戻す判断も、ひとりで抱え込まずにご相談いただければと思います。

髙木 虎太郎

髙木 虎太郎

記事監修

医療法人社団aQua理事長 髙木 虎太郎

国立大学法人 滋賀医科大学 医学部医学科 卒業

慶應義塾大学医学部小児科

慶應義塾大学関連病院

埼玉県立小児医療センター血液腫瘍科

日本小児科学会小児科専門医、日本血液学会血液専門医

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